静人日記

静人日記は、 『悼む人』の主人公が書いた日記という形で書かれた作品です。

悼む人』の世界観がそのまま書かれていますので、読み方によっては続編として読むことも出来るかと思います。

実際には作者が悼む人を書くための準備として書いたものだそうで、当初は公開することも考えていらっしゃらなかったそうです。

生と死、憎しみと愛、出会いと別れ、創造と破壊、伝えること感じること…。

悼む人』では、他人が静人の価値観や考え方の輪郭を浮き彫りにさせていましたが、今作は完全に静人の視点からの表現です。

 

最初から最後まで日記形式です。

読み始めた時は「これでもつのだろうか?」と心配しましたが、物語としてきちんと成立させているのはさすが天童先生です。

日記は後半に行くほど長めの、しかも継続性のあるエントリーが増えてきます。

でも基本的には「日記」ですので独立したものです。

ちょうど、たくさんの写真(一枚一枚は独立している)を使って創られたモザイクアートを見ているようです。

 

悼む人』に共感出来た方には是非おすすめしたい作品です。

 

 

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