パチンコ業界についての3日目です。
「ライバルはディズニーランド」と仰った社長は、パチンコ業界の「冬のソナタ」に関する意外なことも教えてくださいました。
大人気だった韓国のドラマ「冬のソナタ」を題材にしたパチンコ台が開発され、今までパチンコをやったこともない新しいお客さんがホールにたくさん来てくれたのだそうです。
確かに芸能人やテレビ番組を題材にしたパチンコ台のテレビコマーシャルをみることが結構あります。
「こんなこと考えるなんてやっぱり(パチンコ台の)メーカーさんはスゴイと思いましたよ」
「本当に今までパチンコをやったことがないようなお客様がたくさんいらしてくださったのですから。」と社長。
これだけ聞くと良いことばかりだと思ったのですが、「でもね スグに異変を感じはじめたんです」とのこと。
初めてパチンコをする方々には当たり前ですが、遊び方から教えてあげなくてはいけないのです。
これにホールのスタッフはてんてこ舞いになります。
しかし問題はそれだけではなかったのです。
「あの時期ほどお客様から頂くクレームの数が多かったことは無かったんじゃないかなぁ…」
「パチンコは1万2万円かけても全く出ないことだってあるというのはパチンコをやったことがある人にとってはある程度分かっていることですが、初めてやる方にはそんなことは想像もできないわけです。」
この時社長は、既存客を含めた「業界の常識」が「一般の常識」とかけ離れているという事実を改めて感じたのだそうです。
「パチンコは異常に高いもの、怖いものと最初に感じてしまったお客様は残念ながら二度と戻ってきてはくれないのです。」
「つまり 私達は今までは『潜在顧客』としていたお客様を『対象外』に自分達でしてしまったのです。」
社長は、この「業界の常識」をなるべく「一般の常識」に近い状態に戻したいと考えていらっしゃいます。
例えば独居の高齢者の方はパチンコをすることが唯一の社会とのつながりだったりするのだそうです。
地域のコミュニティーのつながりが薄くなってきていると言われている現代で、「顔が見えるお付き合いが自然にできるお茶飲み場のような『場所』に(お店を)していきたいと」とても優しい笑顔で楽しそうにお話しくださいました。