‘魔法の数字「3」’ カテゴリーのアーカイブ

「感じ方」は変えられないけれど「みかた」は変えられる

2011年4月20日 水曜日

人に優しく出来ない、いつもイライラしてつい怒ってしまう、毎日がツライことばかりで… という人はもしかしたら「人に優しくしよう」「イライラしても怒らないようにしよう」「ツライことも乗り越えて強くなろう」と頑張らない方がよいのかも… というお話です。

  1. 人間がある事象に直面したときの「感じ方」は簡単に変えられるものではない(もし不可能でないとしても)

    例えば、自分がこれから不幸になると思った時には、不安や悲しみを感じるのが普通です。
    この不安や悲しみを自分の意志の力で消すことは、自分の意志で心拍数を調整するのと同じくらい(又はそれ以上)に難しいことだと思います。

  2. 「ある事象」は「ある状況」を特定の「見方(みかた)」(視点)で見た一つの結果で、多くの場合同じ状況でも違う見方(=違う事象)が存在する

    会社をクビになったという「状況」を悪いことと考え自分はこれから不幸になると「見る」ことはできます。 
    しかしこれが唯一の「見方」ではなく、「しばらく自分の人生についてゆっくり考える時間が出来た」という別の見方もあります。

  3. 自分が習慣的に抱く感情を変えたいと思ったら「感じ方」を変えようとするのではなく、「モノの見方」を変える方が楽

    ある状況を見て自分が不幸になると見た時に、うれしいと感じるようにするのは「無理」「やせ我慢」「自分に対して嘘をつく」ことになってしまいます。
    しかし、同じ状況でも自分が幸せになると「見れ」ば、自然にうれしいと「感じる」ことが出来るかもしれません。
  4. 見方を変える(視点を変える)のはそれほど難しくなく、少しの訓練で出来るようになる

    視点を変えるには、ほとんど全ての状況で自分が見ている視点が唯一の見方でないということを知る必要があります。
    その上で「ある状況」を異なる視点の「見方」を最低でも3つ書き出します。
    書き出した3つの「見方」の中から自分が一番気持ちいい見方を選び、それを自分にとっての「事実」として捉えます。

  5. 「他人」と「過去」を変えようとするより「自分」と「未来」を変えようとする視点の方が楽

    「あの人が悪いから…」と見るよりは「自分がこうすれば…」という視点の方が建設的ですし、楽な場合が多いと思います。
    また「あの時こうしておかなかったから…」と見るよりは「次はこうしよう」と見るほうが「考えるフリ」をして無駄に過ごす(=悩む)時間が減るはずです。

 

同じ状況でも見方を変えれば感じ方が変わり、見方は自分で選択することが出来る…。

ということは世の中全て自分の思い通りに出来るとも言えそうですね。

そう思えるのは私のような自分勝手でおめでたい楽天家だけかもしれませんが…
(私の場合は「少しは頑張ったら」とよく言われます 笑)

貧乏は病気

2010年7月7日 水曜日

二連続でお金の話になってしまいますが…

世界的な不況といわれるなかでアメリカの状況はましにはなりつつも、良い状況とは決していえないようです。

私のアメリカ人の知人(20人程度)の中でなんと2人もが最近職を失ったと聞きました。

一方でそんな厳しい状況のなかでもある程度以上の生活レベルを維持できている人もいます。

以前はこの差は「運」だと思っていました。 しかし最近になって 「運」 以外にも差が生まれる理由があるのではと思うようになりました。 そこで自分への戒めとして書いておくことにしました。

  1. 自分の責任を否定する(自分にできることを自分で限定してしまう)
  2. 見栄を張る(欲しいものと必要なものが区別できない)
  3. 人のアドバイスを受け入れない(自分自身を変えることができない)

 

1.自分の責任を否定する

お金が足りなくて苦労している人のお話を聞くと、「政府が悪い」「経済が悪い」「会社が悪い」という言葉を良く聞きます。

「自分が大学に行っていれば」「自分がもっと勉強していれば」「自分がきちんと貯金していれば」という方はほとんどいませんでした。

確かに、自分が欲しいことと国の政策が違うこともあるでしょうし、実際に世界規模の不況はありますし、一部の経営者は社員のことよりも自分自身を優先することがあるとは思います。 

でもだからといって自分に非がないということは考えにくいですし、自分の責任を認めないということは逆を言うと自分ができることの可能性を放棄することにもなるのだと思います。 

最悪の場合は、その考え方は自分以外への依存をさらに強めてしまい、そして自分が世の中を変えることができるという自信をさらに失うという悪循環に入ってしまう可能性すらあるのかもしれません。

英語で責任は「responsible」ですが、これは「response(反応)」と「able(~できる)」の合成語で、「ある状況に対して自分の意思で対応(反応)出来る能力」という意味もあるらしいです。(スティーブン・R・コビー博士 「7つの習慣」より)

 

 

2.見栄をはる

ちょっと怪しい近所のディスカウントストアにレクサスで乗り付けたり、ヴィトンのバッグを抱えた人が今にも穴の開きそうな汚い靴を履いている人を見たことはないでしょうか?(もしかしたら私が住んでいる地域だけなのかもしれませんが…)

私の知っている限りアメリカ人はバッグや車に関しては日本人よりも機能性(良質で安いもの)を重視しますが、それでもお金がなくて苦労しているに見栄っ張りの人は少なくないと思います。

見栄が悪いというわけではありませんが、見栄が「人に自分を良く見せるもの=自分の欲しいもの=自分が必要なもの」という勘違いをさせてしまう場合は深刻だと思います。

ここには2つの誤解があると思います。1つ目は「人に自分を良く見せるもの=自分の欲しいもの」です。人から悪く見られたいと思っている人はほとんどいないでしょうからこの式は正しいように見えてしまいます。でも人にどう見られるかと自分が実際に欲しいものが必ずしも一緒ではないはずです。

2つ目は「自分が欲しいもの=自分が必要なもの」です。私の場合はこちらにはまっています。私は自分が欲しいものを買う理由に「これは必要なものだから」と毎回自分に言っていますが、大抵必要ということはありません。 ひどい場合は買ってから一度も封さえ開けないものだってあります。 

アメリカの例えで言えば、60インチの大型テレビです。 日本ではまず置き場所がないので見栄も張れませんが、アメリカのリビングはアパートでさえも60インチ程度のテレビは置けるスペースがあります。しかも友人が来たときに一番目立つ場所に置きますから見栄の張りがいがあるわけです。(笑)

自称貧乏のアメリカ人の家にはたいてい大きなテレビがあります。 そしてさらに面白いことにその人達の多くは「本はすごく高いものだ」と言うのです。 もっとも一日中テレビの前に座っていますから本を読む時間なんてないでしょうから 決して読むことの無い本は実際に高いものなのかもしれませんが…

 

3.人のアドバイスを聞かない

「あ~ 困った困った」とAさん、「どうしたの?」とBさん。

A:「靴下に穴があいちゃったんだ」  B:「新しいのに履き替えたら?」

A:「いや そんなことできないよ そんなことよりこの穴どうしたらいいかな?」

こんな馬鹿みたいな話はありえないと思うかもしれませんが、少なくても私の周囲では(日本でもアメリカでも)このような例を結構みます。

例えば、お金が少なくて困っている人には私はまず現状を把握することをおすすめします。私もファイナンシャルプランナーの先生に進められてやってみて大きな収穫があったからです。 

具体的には収入と支出の一覧表を作ることです。作業にしておよそ30分でしょうか… これだけで生活が一変する可能性のある場合もあると思いますし、少なくても私の生活には大きな影響を与えました。

ところがこの一覧表を作ることをおすすめすると大抵「あ それはもうわかっていますから 私の頭の中にはいっています」と返ってきます。(私も最初はそう言ったと思います)

「なるほど… ではあの大きなテレビの支払いはあと何回残っていてどれだけの金利を支払ったか教えてもらえますか?」と聞くと「そんなこと知りませんし、知る必要もないでしょ」となってしまうんです。

余談ですが、これと同じことは私の職場でもよくあります。「XXで困っているのですが…」といわれるので「ではOOしてみてはどうですか?」と言うと「それはもう既にやりました」と言う。 でもそれなら既に問題は解決しているはずなのでもう少し詳しく話しを聞いてみると、やったつもりになっていて実はやっていないんです。

今の状況が自分にとって好ましく無い理由のひとつには、自分の「在りよう」に原因があると頭ではわかるのです。でも自分を変えるということになるととても抵抗があって、「それなら今のまま苦しんだ方がましだ」とまで思ったこともありました。

さらに人からのアドバイスを受け入れるとなんだか自分が負けたような気がしてしまうのです。 しかも変化に痛みが伴う場合は余計にやりたくないです。 

でも穴の開いた靴下をぼ~っと眺めて 困った困ったとわめいていても状況は良くならないのもまた事実…なかなか簡単ではありません。

 

 

「貧乏は病気」という言葉を何度が聞いたことがありますが、私はそれは本当のことだと思います。

今回の3つはすべて自分がスグにでも1円もかけずに誰の力も借りずに改善できることばかりです。 しかし残念なことにこの3つを克服するのは簡単なようで実はすごく難しいです。(少なくても私にとっては)

「貧乏病」治療中の私は3つの克服はおろか存在をきちんと認識できるようになったのでさえつい最近です。

でも近い将来(4年以内)に必ず「貧乏病」を克服して、その時の経験をどなたかにお役立ていただけるように頑張ります :)

魔法の数字「3」で やることリスト を作る その3

2010年6月26日 土曜日

やることリストに魔法の数字「3」を応用する方法は以下の3つです

  1. 仕事の目的を明確にする
  2. 全体像を3つで書く
  3. 3つそれぞれに3つの詳細を追加する

 

3. 3つそれぞれに3つの詳細を追加する

この時点で手元には2つの成果があります。 1つ目は明確化された分かりやすい目的、そしてもう一つはその目的を達成するために必要な3つの項目です。

その3つの項目は抽象的ではありますが、目的を達成するために必要なことの90%以上をカバーできる内容になっているはずです。

ここまでの道のりは長かったですが、ここまでくれば半分以上は終わっていると考えて頂いてもよいと思います。 ただし それは1と2が「正しく」できていることが前提です。

逆を言えば1と2がきちんとできていないとこのステップでいくら時間をかけても徒労に終わりかねません。まずは慌てずに1と2をきちんとおさえて頂くことを強くおすすめいたします。

実際に何をするのかと申しますと、2で作った3項目のそれぞれに、サポートする3項目を作るだけです。

具体的には以下のようにリストを拡張します。(ABCが2番目のステップで作成した3項目)

 A
       a-1
            a-2
            a-3
   B
           b-1
           b-2
           b-3
   C
          c-1
          c-2
          c-3

2番目のステップでは目的を達成するための3個(ABC)を考えましたが、今回は3項目の内の1つを達成するための3項目(Aに対するa-1、 a-2、 a-3)を作ることになります。つまり大きな目的のために作った3項目それぞれが、今回の小さな目的になります。

では前回からの具体例でみてみます。

 目的: 主役のAさんが、半分以上の時間笑顔でいる誕生会を開く

  1. 誕生会の内容を考える
  2. 参加者を集める
  3. 会場を用意する

ではまず1.誕生会の内容を考えるについて 3つを出してみましょう。 1つではなく、2つでもなく、そして5つでもありません。 

3つです。 :)

まずは2.で行ったのと同じように考えられる要素を思いつくままに書き出してみます。(ブレインストーミング)

主役に前もって知らせるか、サプライズパーティーにするか…、何人ぐらいの人を呼ぶか…、会費を集めるかそれとも最後に割り勘にするか…、(会社や組織でやる場合は)予算はどれくらいにするか… といったところがまずは思い浮かぶでしょうか

そこから以下のようにまとめてみました。

誕生会の内容を考える

  1. 種類
  2. 規模
  3. 会計

そして2番目のすってぷでやったのと同じように、仲間はずれがいないか(りんご、みかん、自転車のようになっていないか)、声に出して読んでみて違和感はないか、3つでその上の階層(今回でいうと「誕生会の内容を考える」)の内容の9割以上を表しているか等々をチェックしてみます。

そして納得いくまで何度でも書き直します。慣れてくれば比較的少ない書き直しで済むと思いますが、私の場合は最低でも5回~10回は書き直します。多い時では20回以上書き直すこともあります。

1個目の「誕生会の内容を考える」が終わったら次は2個目の「参加者を集める」について考え、それが終わったら「会場を用意する」についても3個考えて書き出します。

ここまできたら後は繰り返しになります。つまり誕生会の内容を考える->種類 についてまた3個だし、規模、会計とやります。

こうして項目がそれ以上細かくできないというところまで階層を深めていきます。

例えば 参加者に案内状を郵送する というところまでくればそれ以上細かく考えることはあまりないでしょうからこの階層で終了ということになります。こじつければ「どこの郵便局から出すか決める」というのも作れないことはありませんが、どこの郵便局から投函しても今回の目的の達成に大きな影響を与えることは考えにくいのでここでとめることにします。

こうして考えていくと目的から3階層目でやることの数は9個(3×3)、4階層目で27個(3×3×3)、5階層目ではなんと81個(3×3×3×3)になります。

ある程度複雑な仕事でも81個に分解できれば1つ1つの作業は比較的シンプルになるでしょうから間違いも少なくなり、なによりも仕事が進んでいることが実感できますのでやる気を保つことが容易になります。

そして何よりもその81個で仕事の全体の90%以上は達成できることはわかっているので漏れを心配する必要はありません、ただ淡々と1つづつこなしていけば目的が達成できるというわけです。

ただし、気をつけなくてはいけないのはリストは一度作ったらおしまいということではないということです、仕事をするめるうちに新しいことがわかってきたり、状況が変わったりすることは必ずでてきます。 その時にはためらわずリストを見直し、そして書き直してください。

また、最初のうちはなかなか3個目が思い浮かばないということもあると思います。 その場合はそこであまり苦しまずに次の項目に進むことをお勧めします。後で突然ひらめくこともありますので…。 

それからモノによっては項目が3個無い場合もあります。 そのようなときは最初にその上の階層の項目の言い回しを考えなおしてみてください。 もちろんそれでも3個にならない場合は無理をせずに2個でもかまいませんが、不思議なもので世の中のほとんどのことは3つで表すことができるようです。

 

まとめ

やることリストに魔法の数字「3」を応用する方法は以下の3つです

  1. 仕事の目的を明確にする
  2. 全体像を3つで書く
  3. 3つそれぞれに3つの詳細を追加する

 このようにして作ったやることリスト(ToDoリスト)は漏れが少なく、3つという制限を設けたためバランスがよく、複雑な「仕事」も比較的単純な細かい「作業」に分割することができます。

最初のうち慣れるまではこのリストを作るのかかる時間のほうが、仕事自体にかかる時間よりも長くかかってしまうということもあるかもしれません。

でも慣れればリスト作成にかかる時間は大幅に短縮されますし、きちんとリストを作って仕事をしていただければその効率のよさを実感していただけると思います。(何よりも仕事が楽しくなります!) 

まずは、1日の終わり(退社前、就寝前)に翌日の仕事(遊び)についてのやることリストを作ることからはじめていただくのはいかがでしょうか?

「魔法の数字3」が皆様の毎日の生活を少しでもより有意義なものにするお手伝いができれば私にとってこれ以上幸せなことはありません。

 

*****追記*******

この文章の自己評価は100点満点で、60点を合格として、30点です。

少しずつでもリライトを進めたいと思っていますのでわかりにくい点等をご指摘いただければ幸いです。

魔法の数字「3」で やることリスト を作る その2

2010年6月5日 土曜日

やることリストに魔法の数字「3」を応用する方法は以下の3つです

  1. 仕事の目的を明確にする
  2. 全体像を3つで書く
  3. 3つそれぞれに3つの詳細を追加する

 

2.全体像を3つ書く

「see the big picture」という英語を私なりに意訳したのが「全体像をつかむ」ということです。

目的を達成するのに必要なことの全体を100とした時に、3つの短い言葉で最低でも90%以上を表すのがこの段階で行うことです。

たくさんの事をたった3つのしかも短い言葉で表現しなくてはいけないので、当然表現はぼんやりとしたもの(抽象的)になります。

心情として、最初にはっきりとした表現(具体的)で細かくやることを100個でも200個でも必要なだけ書き出してしまいたいと思う方が多いようです。私も以前はそうでした。

でもいきなり細かいこと書くと最初からたくさんの事(例えば200個)を考えなくてはいけません。やらなくてはいけないことを書き忘れる可能性もあります。 そして何よりも200個の内、どれが大事かということを考えるのが大変なのです。

全体像をつかむやり方では、最初の時点で心配しなくてはいけないのはたったの3つです。しかもそれが全体の9割以上を占めるように作っていますので大切な仕事を書き忘れるという可能性は大きくさがります。

誤解を避けるために補足させて頂くと、具体的なやることを100個や200個必要なだけ作ることが駄目だと言っているわけではありません。

最初に3つを考えるやり方でも最終的には必要であれば100個や200個の具体的なやることのリストを作ります。 ただ、いきなり100個の具体的なリストを作ろうとせずに、まず最初は3つの抽象的なリストをつくってみましょう ということです。  

喩えるなら、大きな山をいきなり何も考えずに登りはじめるのではなく、山の全体を眺めてみて どのコースを上るか、どんなペースで上るべきかを考えてから歩きだすということかもしれません。

やることが10個程度の小さな仕事でしたらわざわざ全体像をつかむ必要はないかもしれませんが、20以上のステップをふまなくてはいけないような仕事でしたら最初に全体像をつかむ方が結局は早く終わることが多いと思います。(しかも成功の確率もあがります)

3つの項目を作る作業をする上で、自分の失敗例から気付いたことをいくつかご紹介したいと思います。

まずは「書くこと」です。 頭の良い方でしたら頭の中だけで考えることもできると思います。 でもそれでは必要以上に疲れますし、私のように「考えているつもり」症候群にハマル可能性もあります。

つまり、考えていると思っていて実はぼ~っとしているだけだったということです。 手が動いていなければ考えていないということが分かりますので「考えているつもり」症候群はかなり減ると思います。(書いた量=考えた量)

それから3つの項目はお互いに仲間である必要があります。 

例えば、リンゴ・ミカン・自転車 と書けば自転車が仲間はずれであることがわかります。また、オレンジ、ミカン、柑橘類というのも良さそうにも見えますが、柑橘類というのはここでは仲間はずれです。

この仲間外れを探す方法は自分で作った全体像をチェックするのに役に立ちます。

そして、一番大切なことは 3つのそれぞれが「必ず」 1.で明確化した目的をサポート(応援、補助、支援)していなければいけないということです。

どんなに素晴らしい全体像でも肝心の目的をサポートするものでなければ残念ながら役に立ちません。

逆を言えば、目的をきちんと理解していなければ目的をサポートする3項目を書くことは決してできないということです。

それでは仮に今回の目的を「主役のAさんが、半分以上の時間笑顔でいる誕生会を開く」として全体像を考えてみたいと思います。

まず最初に誕生会を構成する要素で考えみます。 誕生会には、会場、参加者、食べ物、飲み物、主役… 等々がとりあえず思い浮かびます。

そこで飲食物は会場に入ると考えると「主役 参加者 会場」という3つが誕生会を成立させるための最低要素ということがなんとなくわかります。

でもこのままでは目的をサポートしていませんので言葉を少し変える必要があります。やることリストの場合は、基本的に全ての項目が動詞になっている必要がありますので以下のように書き換えてみました。

  1. 主役の事を調べる
  2. 参加者を集める
  3. 会場を用意する 

これでOKと言わずに、仲間外れが無いかを調べてみましょう。 そうするとどうも「主役の事を調べる」に違和感を感じます。

そもそも今回の誕生パーティーはサプライズパーティーにするのでしょうか? それとも前もってAさんに予定を伝えて来てもらうのでしょうか?

しかしここで注意しなくてはいけません。 どのようなパーティーにするかを考えて決めるのは既に実際の仕事の一部です。

全体を考え終わらないうちに仕事に取りかかってしまうのは、何も考えずにいきなり買い物に飛び出すのと同じになってしまいます。ここを焦る気持ちを抑えてもう少し考えてみましょう。

「主役の事を調べる」を「主役の好みに合わせたパーティーの内容を考える」としてはどうでしょうか? つまり日時、サプライズにするか、何人くらい呼ぶのか 等々を考えるということです。

  1. 主役の事を調べる 主役の好みに合わせた誕生会の内容を考える
  2. 参加者を集める
  3. 会場を用意する

ではこの3つを大きな声に出して読んでみましょう。 声に出してみると分かるのですが、1つ目に違和感があります。 どうやら文章が長すぎるようです…。

誕生日会は主役に笑ってもらうために開くのですから、主役の好みに合ったものにすることはわざわざここに書かなくてもよいのかもしれません。 そこで以下のようにしました

  1. 誕生会の内容を考える
  2. 参加者を集める
  3. 会場を用意する

時間軸で3つの項目を考えてみるというも時には有効です。 今回の例では 内容を考え、人を呼び、そして会場を用意するという時系列になっていてそれぞれのステップが終わるまでは次に進めないというタイプの全体像になっています。

さてこれで何となくではありますが、今回の仕事の目的とそのためにやることの全体像が見えました。

次はいよいよやることの詳細に入っていきます。

魔法の数字「3」で やることリスト を作る その1

2010年5月27日 木曜日

完了までに複数の段階がある比較的複雑な仕事をするときに、多くの方は「やる事」のリスト(英語圏では「To Do リスト」と呼ばれます)を作成すると思います。

このリストを作るのにも魔法の数字「3」を応用することができます。

やることリストに魔法の数字「3」を応用する方法

  1. 仕事の目的を明確にする
  2. 全体像を3つで書く
  3. 3つそれぞれに3つの詳細を追加する

 

1.仕事の目的を明確にする

では「家族の一人の誕生パーティーを開く」という仕事を例に考えてみます。

この仕事を受けたときに、多くの方はまず座って何が必要かを考えると思います。(中には以前の私のようにいきなり買い物に飛び出して行く方もいらっしゃるかもしれませんが…) 

そしてやるべきことを書き出すのではないでしょうか? 誕生日プレゼントの用意、会場の確保、料理の設定、参加者リストの作成、買い物リストの作成… 等々いろいろあります。

それを全部書き出して順番に実行していけばそれでよいのでしょうか? 

何も考えずにいきなり買い物に飛び出して行く方よりは成功の可能性は高くなるとは思いますが、思いつくままに必要だと思うことを書き出す前にあることをすれば成功の可能性は更にあがると思います。

そのあることとは「仕事の目的を明確にする」ことです。

「そんなことは当たり前にやっている」とおっしゃる方が多いのですが、目的の明確化は簡単なようで実は非常に難しいと思います。

「目的の明確化」については機会があればまた詳しく書きたいと思いますが、明確化された目的かどうかをチェックするために私は以下の3項目に当てはまっているかをみるようにしています。そして一つでも当てはまらない項目があった場合は目的はまだ明確ではないとして、再度考え直すようにしています。

  1. 一つの意味以外に解釈の余地がないこと
  2. 一言で言えること(息継ぎ無しで言い切れる長さであること)
  3. (目的を)達成できたかどうかを第三者でも判断できること

今回の誕生日の例では、「主役のAさんが、半分以上の時間笑顔でいる誕生会を開く」だったり、「参加者全員が最低でも1分以上はAさんと話す機会がある誕生日会を開く」、または「Aさんと親しい10人を集めAさんに日頃の感謝を伝えてもらう」というのは比較的明確化された目的になるかもしれません。

逆にあまりよくない目的としては、「良い誕生会を開く」(「良い」に解釈の余地がある)  「Aさんをびっくりさせるような演出を用意し、参加者の皆さんには美味しい料理を楽しんでもらう。そして会場は参加者が来やすい場所で…」(長すぎて目的がぼやけている)  「Aさんが喜ぶ誕生日会を開く」(第三者ではAさんが喜んでくれたかどうかは判断できない可能性がある)

誰でも目的がはっきりしていない仕事が成功しないことは知っているのですが、いざ目の前に仕事があるとどうしても真っ先に取りかかってしまいたくなるのが心情のようです。
そしてこの焦りの気持ちが「目的の明確化」を更に難しくしてしまっているのかもしれません。

目的が明確になったらいよいよ魔法の数字「3」が登場します。

Magic Number 3(魔法の数字「3」)

2010年5月2日 日曜日

アメリカで一番勉強になったことで今でも役に立っているものは何かと考えると真っ先にこれが浮かびます。

これを最初に教えてもらったのは英語学校でした。 「作文をするときには魔法の数字3を使えばたいてい間違いはありません。」とのこと…

つまり、文章の構成として、イントロダクション(導入)、ボディー(本文)1、ボディー2、ボディー3、コンクルージョン(結論)のボディーが3つであることを指してのことでした。

日本の起承転結に慣れている方には馴染みが薄いかもしれませんが、英語圏の文章の多くはこの イントロ、ボディー1、ボディー2、ボディー3、コンクルージョンで書かれています。

ボディーの数は1では少なく、5では多すぎる…、 つまり3が一番適していると聞いてその時は「なるほど そんなものか」と思いその後は一応そのパターンを使って文書を書くようにしていました。

その後大学に進むと1クラスで月に1本~2本のペースでリサーチペーパー(A4で4~5枚程度の論文)を書かなくてはいけないこともよくありました。

他のやり方も知らない私は自然に英語学校で教えてもらったパターンを使って書いていったのです。

私の英語力は日本人としては人並み程度あったかもしれませんが、ネイティブの「大学生の」アメリカ人が書く文書を仮に60点とするとやはり20点~30点程度だったと思います。

それでも私は論文で5段階評価で4以下をとったことはありませんでした。(もっとも外国人だからという教授の計らいは大いにありましたが…)

これは全て魔法の数字「3」のお陰だったと思っています。 そして日本に帰ってきてからもこの方法は仕事に活用させてもらっています。

この魔法の数字「3」は文章を書くときにはもちろん役に立ちますが、実はそれだけでなく広い分野で簡単に応用することが出来る非常に強力なツールです。

私と一緒に仕事をする人(主に部下)にはこの魔法の数字「3」の活用方法をお伝えするようにしてきまいした。

ただ、残念ながら口頭での説明ではなかなか理解してもらいにくいものなので(主な原因は私の説明能力の低さですが…) 文書にしてみようと思い、不定期ではありますがこうして書き始めることにしました。

魔法の数字「3」のお陰で私はたくさんの得をさえてもらいました。人生が変わったと言ってももしかしたら大げさではないかもしれません。 

そして多くの方の仕事、家族、人間関係、人生の目標に至るまで幅広い応用分野があると私は思っています。

この情報が皆様の人生を少しでも実り多いものにするお役に立てたとしたら、私にとってこれ以上の喜びはありません。