二連続でお金の話になってしまいますが…
世界的な不況といわれるなかでアメリカの状況はましにはなりつつも、良い状況とは決していえないようです。
私のアメリカ人の知人(20人程度)の中でなんと2人もが最近職を失ったと聞きました。
一方でそんな厳しい状況のなかでもある程度以上の生活レベルを維持できている人もいます。
以前はこの差は「運」だと思っていました。 しかし最近になって 「運」 以外にも差が生まれる理由があるのではと思うようになりました。 そこで自分への戒めとして書いておくことにしました。
- 自分の責任を否定する(自分にできることを自分で限定してしまう)
- 見栄を張る(欲しいものと必要なものが区別できない)
- 人のアドバイスを受け入れない(自分自身を変えることができない)
1.自分の責任を否定する
お金が足りなくて苦労している人のお話を聞くと、「政府が悪い」「経済が悪い」「会社が悪い」という言葉を良く聞きます。
「自分が大学に行っていれば」「自分がもっと勉強していれば」「自分がきちんと貯金していれば」という方はほとんどいませんでした。
確かに、自分が欲しいことと国の政策が違うこともあるでしょうし、実際に世界規模の不況はありますし、一部の経営者は社員のことよりも自分自身を優先することがあるとは思います。
でもだからといって自分に非がないということは考えにくいですし、自分の責任を認めないということは逆を言うと自分ができることの可能性を放棄することにもなるのだと思います。
最悪の場合は、その考え方は自分以外への依存をさらに強めてしまい、そして自分が世の中を変えることができるという自信をさらに失うという悪循環に入ってしまう可能性すらあるのかもしれません。
英語で責任は「responsible」ですが、これは「response(反応)」と「able(~できる)」の合成語で、「ある状況に対して自分の意思で対応(反応)出来る能力」という意味もあるらしいです。(スティーブン・R・コビー博士 「7つの習慣」より)
2.見栄をはる
ちょっと怪しい近所のディスカウントストアにレクサスで乗り付けたり、ヴィトンのバッグを抱えた人が今にも穴の開きそうな汚い靴を履いている人を見たことはないでしょうか?(もしかしたら私が住んでいる地域だけなのかもしれませんが…)
私の知っている限りアメリカ人はバッグや車に関しては日本人よりも機能性(良質で安いもの)を重視しますが、それでもお金がなくて苦労しているに見栄っ張りの人は少なくないと思います。
見栄が悪いというわけではありませんが、見栄が「人に自分を良く見せるもの=自分の欲しいもの=自分が必要なもの」という勘違いをさせてしまう場合は深刻だと思います。
ここには2つの誤解があると思います。1つ目は「人に自分を良く見せるもの=自分の欲しいもの」です。人から悪く見られたいと思っている人はほとんどいないでしょうからこの式は正しいように見えてしまいます。でも人にどう見られるかと自分が実際に欲しいものが必ずしも一緒ではないはずです。
2つ目は「自分が欲しいもの=自分が必要なもの」です。私の場合はこちらにはまっています。私は自分が欲しいものを買う理由に「これは必要なものだから」と毎回自分に言っていますが、大抵必要ということはありません。 ひどい場合は買ってから一度も封さえ開けないものだってあります。
アメリカの例えで言えば、60インチの大型テレビです。 日本ではまず置き場所がないので見栄も張れませんが、アメリカのリビングはアパートでさえも60インチ程度のテレビは置けるスペースがあります。しかも友人が来たときに一番目立つ場所に置きますから見栄の張りがいがあるわけです。(笑)
自称貧乏のアメリカ人の家にはたいてい大きなテレビがあります。 そしてさらに面白いことにその人達の多くは「本はすごく高いものだ」と言うのです。 もっとも一日中テレビの前に座っていますから本を読む時間なんてないでしょうから 決して読むことの無い本は実際に高いものなのかもしれませんが…
3.人のアドバイスを聞かない
「あ~ 困った困った」とAさん、「どうしたの?」とBさん。
A:「靴下に穴があいちゃったんだ」 B:「新しいのに履き替えたら?」
A:「いや そんなことできないよ そんなことよりこの穴どうしたらいいかな?」
こんな馬鹿みたいな話はありえないと思うかもしれませんが、少なくても私の周囲では(日本でもアメリカでも)このような例を結構みます。
例えば、お金が少なくて困っている人には私はまず現状を把握することをおすすめします。私もファイナンシャルプランナーの先生に進められてやってみて大きな収穫があったからです。
具体的には収入と支出の一覧表を作ることです。作業にしておよそ30分でしょうか… これだけで生活が一変する可能性のある場合もあると思いますし、少なくても私の生活には大きな影響を与えました。
ところがこの一覧表を作ることをおすすめすると大抵「あ それはもうわかっていますから 私の頭の中にはいっています」と返ってきます。(私も最初はそう言ったと思います)
「なるほど… ではあの大きなテレビの支払いはあと何回残っていてどれだけの金利を支払ったか教えてもらえますか?」と聞くと「そんなこと知りませんし、知る必要もないでしょ」となってしまうんです。
余談ですが、これと同じことは私の職場でもよくあります。「XXで困っているのですが…」といわれるので「ではOOしてみてはどうですか?」と言うと「それはもう既にやりました」と言う。 でもそれなら既に問題は解決しているはずなのでもう少し詳しく話しを聞いてみると、やったつもりになっていて実はやっていないんです。
今の状況が自分にとって好ましく無い理由のひとつには、自分の「在りよう」に原因があると頭ではわかるのです。でも自分を変えるということになるととても抵抗があって、「それなら今のまま苦しんだ方がましだ」とまで思ったこともありました。
さらに人からのアドバイスを受け入れるとなんだか自分が負けたような気がしてしまうのです。 しかも変化に痛みが伴う場合は余計にやりたくないです。
でも穴の開いた靴下をぼ~っと眺めて 困った困ったとわめいていても状況は良くならないのもまた事実…なかなか簡単ではありません。
「貧乏は病気」という言葉を何度が聞いたことがありますが、私はそれは本当のことだと思います。
今回の3つはすべて自分がスグにでも1円もかけずに誰の力も借りずに改善できることばかりです。 しかし残念なことにこの3つを克服するのは簡単なようで実はすごく難しいです。(少なくても私にとっては)
「貧乏病」治療中の私は3つの克服はおろか存在をきちんと認識できるようになったのでさえつい最近です。
でも近い将来(4年以内)に必ず「貧乏病」を克服して、その時の経験をどなたかにお役立ていただけるように頑張ります :)